香港を拠点に、行き先を足していくキャンプ

YCE(ユースキャンプ及び交換)は、ライオンズクラブ国際協会が世界で続けている青少年交流です。若者は地元のライオンズクラブの推薦を受けて海外へ出かけ、行き先の家庭やライオンズクラブに迎えられます。2025年の香港の案内も、YCEを1961年に始まった取り組みとして紹介し、ほかの文化や暮らし方に興味がある人、第二言語の力を伸ばしたい人、背景のちがう人と友だちになりたい人に参加を呼びかけていました。

キャンプの名前は、2024年と2026年が「Heritage Havens」、2025年が「From Skyline to Shrine(摩天楼から聖地へ)」です。2024年は香港、マカオ、杭州の3か所を巡る11日間で、使う言葉は英語と中国語、参加費は600米ドルと案内されていました。2026年の対象は16歳から22歳です。

家庭で始まり、家庭で終わる

日程表がいちばん詳しいのは2025年の案内です。6月10日から13日までは香港の家庭で過ごし、14日の開会式で参加者が顔をそろえます。15日と16日はマカオ、16日から20日は北京、20日から23日は香港でのキャンプ。そして23日から26日は、もう一度香港の家庭に戻って旅を締めくくります。24日には、国際交流の夜も予定されていました。

キャンプの前と後の両方に家庭での時間があるのが、この組み立ての大きな特徴です。北京やマカオで見たものを、最初に迎えてくれた家族に話してから帰国できます。家庭とのつながりを、最初の数日だけで終わらせないように考えられていることが伺えます。

2026年の案内でも、参加者はまず香港かマカオの家庭に滞在して地元の暮らしにふれ、そのあと仲間のいるキャンプに合流する流れでした。

西貢の海で、ドラゴンボートをこぐ

香港でのキャンプの拠点は、2024年と2025年の案内によると、西貢(サイクン)にある香港青年協会の野外訓練施設「Jockey Club Sai Kung Outdoor Training Camp」でした。ここから、美術館の M+、香港故宮文化博物館、中国の伝統劇のための劇場である戯曲センター、そして名前にライオンズを冠した自然教育センターへ出かけています。

2025年の案内でとくに力が入っているのが、ドラゴンボートの練習です。伝統の舟をこぐ技と競い方を教わり、仲間と力を合わせる時間として紹介されています。2026年の案内でも、ドラゴンボートの練習に参加できると書かれていました。

もしあなたが高校生なら、ここは楽しみにしてよい場面です。ドラゴンボートは、こぎ手全員の息がそろわないとまっすぐ進みません。言葉がまだうまく出てこない最初のうちでも、声を掛け合ってこいでいるうちに、自然と仲間になっていけるはずです。

食事の楽しみも具体的に書かれていました。西貢の海鮮、点心、キャンプファイヤーを囲むバーベキューの夜。さらに、格式のある会員制の中華料理のクラブでの夕食も予定されていました。

マカオでは、世界遺産の街を歩く

2025年のマカオでは、石排湾(セッパイワン)の街歩きから始まり、マカオ芸術博物館、マカオ・グランプリ博物館、世界遺産をめぐるツアー、マカオ大学の見学が並んでいます。にぎやかなコタイ地区も行程に入っていました。

キャンプでは、ヨガで体をほぐす時間や、仲間と打ち解けるためのオリエンテーションも組まれていました。移動の多い旅のなかでも、参加者どうしの関係づくりに時間を割いていることが分かります。

中国本土の行き先は、年ごとに変わる

香港とマカオに加えて訪ねる中国本土の街は、年ごとにちがいます。2024年は杭州でした。

2025年は北京です。案内には、紫禁城と万里の長城、にぎやかな三里屯やビジネス街、大学の見学に加えて、京劇や書道、古い路地の胡同(フートン)歩きが並び、食事は北京ダックや屋台の味と紹介されていました。

2026年は深圳と広州です。中国の伝統文化や歴史、料理にふれるほか、大手の技術企業を訪ねて、香港とマカオを含む「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)」の技術革新を見る計画でした。そして最後は、香港で開かれるライオンズクラブ国際大会に参加し、世界中の若者と知り合う締めくくりが用意されていました。

香港の家庭と、香港とマカオでの日々を土台にしながら、本土の街を毎年入れ替える。限られた日数のなかで、香港だけでは伝えきれない中国の広さを見せようとしているのでしょう。2026年は、地元が国際大会の開催地になったことを、若者の交流にもそのまま生かしています。

このキャンプから学べること

ライオンズクラブのメンバーとしてこのキャンプから学べるのは、毎年変えずに残すものと、入れ替えるものの線引きです。家庭での滞在と香港での野外キャンプという土台は動かさず、本土の行き先や、その年ならではの行事を加えていく。毎年すべてを作り直さなくても、参加者に新しい顔を見せられる組み立てです。日本で来日生を迎えるキャンプを考えるときにも、参考になるはずです。

地元の施設の使い方も見逃せません。青少年団体の野外訓練施設を拠点にし、名前にライオンズを冠した自然教育センターにも足を運んでいます。地域にもともとある場所を、そのまま交流の舞台にしているということが伺えます。

保護者の方が気になるのは、時期と手続きでしょう。開催は6月から7月にかけてなので、日本の高校では学期中にあたる時期です。また2026年の案内は、中国本土に入るため、参加が決まったらすぐに1回限りの中国ビザを申請するよう求めていました。ビザが必要かどうかは国籍によって変わるので、日本から参加する場合も、出発前に必ず確かめておきましょう。参加費のほかにかかるお金は、参加費のほかに、何のお金がいる?にまとめています。

補足

  1. 2024年と2025年の内容は、イタリアのライオンズの青少年交換サイトに掲載された、各年の案内をもとにしています。家庭滞在の流れは、日程表がいちばん詳しい2025年の案内によります。
  2. 2026年の内容は、募集のときにドイツのライオンズが紹介した計画です。実際の行程とちがう部分があるかもしれません。
  3. 参加費の600米ドルは2024年の案内の金額です。
  4. 写真は西貢の港です(Sai Kung Town Harbour 01、撮影 Underwaterbuffalo、Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0)。トリミングと明るさの調整をしています。

※日程や費用、募集の有無は年によって変わります。最新の情報は、地元のライオンズクラブや地区に確認してください。

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